僕のヒーローアカデミア 志賀丸太から殻木球大へ名前変更

思考流星群

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僕のヒーローアカデミア 志賀丸太から殻木球大へ名前変更

2020年02月12日 17時19分

[マンガ・アニメに関する話題]

男性
ジャンプ+(集英社の漫画サイト)を見てたら、お知らせ欄に

『僕のヒーローアカデミア』第259話 登場人物名の変更について

っていう投稿があったんだよね。
女性
へえ、わざわざキャラ名を変更してお知らせページを作るくらいだから公序良俗に反した「ピー」音が鳴るような名前だったんですか?
男性
いや~、「志賀丸太(しが・まるた)」っていう、問題なさそうな普通の名前なんだよ。
女性
しがまるた・・・。
わかりました!!
「マルタ共和国が死んでるようだ!許せない!」
とかいうこじつけクレームでしょ!
男性
いやぁ、どうだろう。
もっと「え~」っていうものだったんだけど・・・

週刊少年ジャンプで連載されている人気漫画「僕のヒーローアカデミア」に登場するキャラクターの名前について、韓国や中国で炎上騒ぎになり、編集部と作者の協議の上、キャラクター名を変更する事態になりました。

一体、どんなクレームが上がって炎上したのでしょう。

ジャンプ編集部が掲載したお知らせ文

炎上騒ぎで多くのクレームが入ったのでしょう。

これを受けてジャンプ編集部は作者の堀越耕平氏とも協議の上、当該キャラの名前を変更し、コミックス版に先駆けて電子版はすぐに変更後の名前に差し替えました。

2月10日にジャンプ+に掲載されたお知らせがこちら。

元ページはこちら⇒https://www.shonenjump.com/p/news/2002/wj202010/

「過去の悲惨な歴史」と、韓国や中国で炎上するということは、おそらく第2次世界大戦時代のタブーワードに触れてしまったのでしょう。

いったい、どういうことでしょうか。
 

悪の科学者「志賀 丸太(しが・まるた)」

そのキャラクターは、普段は大きな病院の院長を勤め、その実、敵の組織の科学者という設定。

今までもストーリー上には登場していましたが、名前は公開されていませんでした。


2020年2月3日発売の10号に掲載された僕のヒーローアカデミア第259話で、その人物の名が公開されました。

「志賀 丸太(しが・まるた) 無個性」というナレーションの文。

これが、「お知らせ」の通り「殻木 球大(がらき きゅうだい)」に変更されました。

BEFORE(紙媒体掲載版)

     ↓↓↓
AFTER(電子コミック版)


仕事が速いですね。

さて「過去の悲惨な歴史」と「志賀 丸太」がどう結びつくのか・・・


実は第2次世界大戦時の旧日本陸軍731部隊にまつわることだといいます。

731部隊は細菌兵器などの研究・開発を行い、捕虜を被験者として生体実験をしていたとされています。

その被験者を隠語で「丸太」と呼んでいたそうです。

「悪の科学者」+「丸太」
     ↓↓↓
「過去の悲惨な歴史の記憶を想起させる」

というわけです。
 

この件を僕はどう考えたか

僕はごく普通の一般人の日本人であり、あまり偏った主義主張を持っているわけでもなく、過去の戦争にまつわる歴史も年齢相応に知っているつもりです。

その僕が今回の問題についてどう考えたか、文字にしてみたいと思います。


まず前提として旧日本陸軍731部隊が行ったとされる人体実験など様々な非人道的な行為は絶対に許されないことで、2度と起こしてはいけないと思います。

旧日本軍の戦時の行いを擁護するわけでもなく、当時旧日本軍から被害を受けた人たちに恨みの気持ちがあることも理解できます。

それを踏まえて。

「いや、今回のヒロアカは関係ないっしょ!」

と思いました。


まるで「丸太」という過去一部組織で使われていた隠語が、世界の悪のキーワードの一つとして広く認識されているようなことを言われていますが、日本語で「丸太」というのはごく普通の単語として日常会話でも登場する言葉であり、人名としても「丸太」という名前の日本人は相当数いると思われます。

太い木を切り倒して棒状に輪切りしたら「丸太」あるいは「丸太ん坊(棒?)」と呼ばれます。

ログハウスなんかは「丸太を積み上げてつくる家」という言い方をしますし、おそらく99.9%の日本人は「丸太」と聞いて「731部隊の被害にあった被験者の呼び名の隠語」とは考えません。

そして「僕のヒーローアカデミア」は日本の漫画であり、日本人がメインキャラクターです。

日本の男性の名前で「XX太」というのは一般的であり「丸太」にしても多くはないでしょうが、あり得る名前です。
「丸男」も「丸子」もいるでしょうし「丸太」だっているのです。
「のび太」はそうそういないでしょうが・・・^^;


確かに過去日本から受けた被害を歴史として習う国で育ち、特にその分野に興味があって知識のある人は「丸太!? 丸太って言ったか! ゆ、許せん!!」という人もいるのでしょうが、もしも「僕のヒーローアカデミア」を好きで読んでいるのだったら、そこはスルーしましょうよ。

漫画を描くことがどれだけ大変なことか知らないわけでもないでしょう?

作者は自分の愛する作品に、特定の人から怨念を向けられるようなことはしません。

今回の「志賀丸太」は、今の日本人が日常会話で使う、材木を表す「丸太」が由来の名前であることは明白であり、旧日本陸軍の731部隊で使われた被験者を表す隠語が由来であるというのは相当にひねくれた見方だと僕は感じます。

もし『いやいや、自分は悪意があって志賀丸太という名前をつけたと思うぞ』と考える人がいるとするなら、それはその人の普段の思考がそういうものを結びつけるようになってしまっているせいじゃないでしょうか。



また『いや、悪意があったとは思わないが、出版前にチェックして問題ありそうな言葉とか見つけろよ』という人もいるかもしれません。

確かに校閲は大切です。
公序良俗に反した言葉、卑猥な言葉、差別用語、などなどチェックは行って当然です。

でも仮に、過去に起きた悲惨な事件にまつわる言葉で、現代では普通に使われている言葉を作中に偶然でも使わないように、ことごとく調べて避けるという作業が必要となったら、面白い漫画なんて描けませんよ。

しかも週刊で描いてるんですよ?

それにかかるコストから漫画の価格も跳ね上がり、結果的に漫画が廃れていきかねません。


ちなみに、お知らせでは「丸太」は「丸々と太った外見から」とされていますが、おそらくそれに加えて「無個性」の主人公が「デク ⇒ 木偶の坊」にかけて「丸太 ⇒ 丸太ん坊」という、ちょっとした言葉遊び的なものもあったんじゃないかなと個人的には思います。

そういうのがあったとしても今回のクレームで意味はなくなったわけですが。。。
 

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作者に無用な委縮をしてほしくない

僕が心配なのは、今回の件によって作者さん、あるいは編集者さん、はたまた同業の漫画家さんが、委縮してしまい、漫画の中の世界まで委縮気味になってしまうことです。

漫画の中の世界は非日常です。

魔法もあり、ヒーローもいて、ドラゴンだっているし、凄まじい必殺技を体一つで繰り出す超人だっているのです。

そんな夢のある世界を見ている最中に「あ、これはかつて使われたXXという唾棄すべき言葉と同じ名前がつけられている!」なんて考えるのはやめましょうよ。

そういうのが原因で嫌いになったなら読むのをやめる、ファンをやめるくらで勘弁してあげましょうよ。

漫画を描くのは本当に大変な作業ですよ?

お手軽なツイート、リツイートで拡散・炎上させて、身を粉にして漫画を描いている人たちに謝罪を要求して気分はいいですか?

作者に送るのは感謝かファンレターくらいにしておきましょう。

あと、当然ですがちゃんとお金を払って読みましょうね。
 
女性
めずらしく熱くなってますね
男性
僕は漫画が大好きだからね



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